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普通免許の合格者の4人に3人が「AT限定」:警察庁の統計で見るMT離れと、オートマ車が自動で変速する仕組み

2025年に普通免許(第一種)の試験に合格した111万1,893人のうち、オートマチック車だけを運転できる「AT限定」の合格者は83万2,869人で、約75%を占めました。いまや免許を取る人の4人に3人がAT限定です。オートマチックトランスミッションの仕組みをアニメーションで解説した動画は1,493万回以上再生されています(YouTube、2026年10月9日確認)。毎日乗っていても中で何が起きているかは見えない変速の仕組みと、変わりつつある免許制度を、警察庁の統計と公的な資料から整理します。
この記事のポイント
- 2025年の普通免許(第一種)の合格者は111万1,893人。うちAT限定は83万2,869人(74.9%)
- 受験者で見ても、152万8,263人のうち116万1,625人(76.0%)がAT限定だった
- AT限定免許は1991年(平成3年)に普通免許で導入された。2026年4月からは準中型・中型にも広がり、大型は2027年4月の予定
- AT車では、クラッチの代わりに「トルクコンバーター」が、ギアの組み合わせの切り替えを油圧が担う
統計で見る「AT限定」の広がり
警察庁の「運転免許統計」(令和7年版)には、運転免許試験の受験者数と合格者数が免許の種類ごとに載っています。普通免許(第一種)について、全体とAT限定を比べると次のとおりです。
| 2025年 | 普通免許(全体) | うちAT限定 | AT限定の割合 |
|---|---|---|---|
| 受験者数 | 1,528,263人 | 1,161,625人 | 76.0% |
| 合格者数 | 1,111,893人 | 832,869人 | 74.9% |
前の年の2024年は、合格者114万1,345人のうちAT限定が77万4,305人(67.8%)でした。1年でAT限定の割合が約7ポイント上がり、合格者の数も2024年から5万8,000人あまり増えています。全体の受験者・合格者が減る中で、AT限定だけが増えているのが特徴です。
割合は、統計の数字を割り算して求めたものです。受験者数は延べ人数で、同じ人が複数回受けた場合も数えられています。
AT限定は1991年から、そして大型車へ
自民党の政策ニュースによると、AT限定免許は1991年(平成3年)に導入され、これまでは「普通」と「普通二種」だけでした。2026年4月に施行された内閣府令の改正で、「AT準中型」「AT中型」「AT中型二種」が追加され、「AT大型」は2027年4月1日、「AT大型二種」は同年10月1日の施行が予定されています。背景には、トラックやバスの運転手不足と、大型車でもAT車が増えていることがあります。
鹿児島県の案内によると、これにあわせて技能試験の方式も変わり、2026年4月からは中型車と準中型車、6月からは普通車で、基本的な運転技能をAT車で確かめる新しい方式に移っています。
オートマ車はなぜ自動で変速できるのか
マニュアル車(MT車)では、運転する人がクラッチを踏んでエンジンの力を一度切り、手でギアを入れ替えます。AT車がこれを自動で行える理由は、大きく3つの部品にあります。
- トルクコンバーター:オイル(作動油)を介してエンジンの力を伝える部品。ポンプ羽根車が作動油を勢いよく送り、その流れでタービン羽根車が回る。間にある「ステーター(案内羽根)」が流れの向きを変えることで、発進時などに力(トルク)を大きくして伝えられる
- 歯車の組み合わせ(遊星歯車など):どの歯車を固定し、どれを回すかで、ギアの段を切り替える
- 油圧による制御:速度やアクセルの踏み方に応じて、どの歯車を固定するかを油の圧力で切り替える
百科事典の解説では、トルクコンバーターは、ポンプ羽根車、タービン羽根車、ステーターを主な要素とする流体式の伝達装置と説明されています。エンジンと車輪が液体を介してつながっているため、止まっているときもエンストせず、発進もなめらかになります。
AT限定で運転するときに気をつけたいこと
- AT限定免許でMT車を運転すると、免許の条件に違反することになる。レンタカーや社用車を借りるときは、AT車かどうかを確認する
- AT車は、ブレーキから足を離すとゆっくり前に進む「クリープ現象」がある。停車中はブレーキをしっかり踏む
- シフトレバーの位置(P・R・N・D)を、発進前に目で確かめる習慣をつける
まとめ
2025年の普通免許の合格者のうち、AT限定は74.9%と4人に3人に達しました。1991年に始まったAT限定免許は、2026年からは準中型・中型、2027年には大型にも広がります。AT車が自動で変速できるのは、液体で力を伝えるトルクコンバーターと、油圧で歯車を切り替える仕組みがあるからです。仕組みを知っておくと、日々の運転で起きる「クリープ」やシフト操作の意味も理解しやすくなります。