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シャボン玉はなぜ割れる?膜が薄くなる2つの原因と、割れにくい液に「洗濯のり」を入れる理由

シャボン玉が割れるのは、膜の液体が重力で下へ流れ落ち、さらに表面から水分が蒸発して、膜がどんどん薄くなるからです。割れにくい液を作るには、膜を長持ちさせる材料を加えるのがポイントで、家庭ではPVA(ポリビニルアルコール)入りの洗濯のりがよく使われます。シャボン液を増やす家庭のアイデアを紹介したショート動画は3億5,711万回以上再生されています(YouTube、2026年10月9日確認)。身近な遊びの裏にある科学を、物理学の研究論文と自治体が公開している資料から見ていきます。
この記事のポイント
- シャボン玉の膜は、洗剤などの成分のおかげで、ごく薄い水の膜が保たれている
- 膜の液体は重力で下へ流れ落ち(排液)、表面からは蒸発する。この2つで膜が薄くなり、やがて割れる
- 長い鎖のような分子(高分子)を加えると、膜の寿命が大きくのびる。体積100立方メートル近い巨大なシャボン玉も作られている
- 群馬県伊勢崎市が公開している資料では、グリセリン1:食器用洗剤2:PVAのり6:水8の割合が紹介されている
膜はなぜ薄くなって割れるのか
米国の物理学誌『Physical Review Fluids』に2020年に掲載された研究「How to make a giant bubble(巨大なシャボン玉の作り方)」は、洗剤、水、長い鎖状の高分子を混ぜた液で、空中に浮かぶ巨大なシャボン玉ができる仕組みを調べました。研究では、赤外線の吸収を使って膜の厚さの分布と膜の寿命を測っています。
論文によると、シャボン玉の膜は時間がたつにつれて、重力による液体の流れ落ち(排液)と蒸発によって薄くなっていきます。風船のようにゴムでできているわけではないため、膜のどこかが薄くなりすぎると、そこから一気に割れてしまいます。
シャボン玉のてっぺんから割れやすいのは、上の部分の液体が下へ流れ、上から薄くなるためだと考えられます。乾いた風の強い日にすぐ割れてしまうのも、蒸発が速く進むことが一因と考えられます。
巨大なシャボン玉の秘密は「高分子」
同じ研究は、巨大なシャボン玉を作るうえで次のことを明らかにしました。
| わかったこと | 意味 |
|---|---|
| 膜の最初の厚さは、主に洗剤の種類で決まる | 洗剤選びがスタートライン |
| 分子量の大きい高分子を多めに入れると、膜の寿命が大きくのびる | 割れにくくなる |
| ただし濃すぎると、最初に膜ができにくくなる | 入れすぎは逆効果 |
| 膜が引き伸ばされるときの粘り強さ(伸長粘性)が、作れるかどうかを最も左右する | 大きく広げても破れない |
| 分子の長さがそろっていない高分子のほうが、少ない量でよく働く | 少量で効果 |
この組み合わせによって、体積が100立方メートル近い、自由に浮かぶシャボン玉も作られています。家庭で使う洗濯のりのPVAも、この「長い鎖状の分子」の仲間です。
家で作れる「割れにくいシャボン液」
群馬県伊勢崎市が公開している資料では、家庭で作れるシャボン液として次の作り方が紹介されています。
- 材料:水(精製水か水道水)、台所用食器洗剤(界面活性剤37%以上)、PVA入りの洗濯のり、グリセリン
- 割合:グリセリン1:食器用洗剤2:PVAのり6:水8
- 手順:水200cc、洗濯のり150cc、グリセリン25ccを入れて50回ほどよく混ぜ、最後に食器用洗剤50ccを加えて、泡立たないように静かに100回ほど混ぜる
- 作った液は長く保存できる。時間がたつと分離するが、振ってから使う
洗剤を入れたあとは、泡立てないように静かに混ぜるのがコツとされています。道具は、モールを輪にして割りばしに付けるだけで簡単に作れると紹介されています。
安全に遊ぶための注意
- シャボン液は口に入れない。ストローを使う場合は、吸い込まないように吹く向きを教える
- 洗剤が目に入った場合は、すぐに水で洗い流す
- 液がこぼれた床はすべりやすい。遊んだあとは手を洗い、床をふく
- 洗剤やのりの容器に書かれた注意表示を確認してから使う
小さな子どもが遊ぶときは、大人がそばで見守りましょう。
まとめ
シャボン玉が割れるのは、膜の液体が重力で流れ落ち、蒸発によって薄くなるからです。長い鎖状の高分子を加えると膜が長持ちし、研究では100立方メートル近い巨大なシャボン玉も作られています。家庭では、PVA入りの洗濯のりとグリセリンを加えた液で、割れにくいシャボン玉を楽しめます。動画のアイデアを試すときは、膜を「薄くしない工夫」に注目すると、ひと味違う大きなシャボン玉が作れるはずです。