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エレベーターはなぜ落ちないのか?安全装置の仕組みと、閉じ込められたときの正しい行動

毎日のように乗っているエレベーター。「もしロープが切れたら」「地震のときに中にいたら」と、ふと不安になったことはないでしょうか。国土交通省の資料をもとに、エレベーターが落ちにくい理由と、閉じ込められたときに取るべき行動を整理します。映画やドラマではエレベーターが真っ逆さまに落ちる場面がよく描かれますが、実際の仕組みはずいぶん違います。
この記事のポイント
- 一般的なロープ式エレベーターはロープを3本以上使っていて、1本になってもかごを吊ることができる
- 万一すべてのロープが切れても、安全装置が働いて落下しない仕組みになっている
- 2009年の法改正で、新しく設置するエレベーターには「戸開走行保護装置」と「地震時等管制運転装置」が義務づけられた
- 閉じ込められたら、まず内部のインターホンで連絡し、自力で扉や天井から出ようとしない
ロープが切れても落ちない理由
国土交通省近畿地方整備局が2014年に発行した資料では、「エレベーターのロープが切れて最下階に落下するのでは?」という質問に対して、次のように答えています。
- エレベーターのロープは3本以上あり、1本になってもかごを吊ることができる
- 万が一すべてのロープが切断しても、安全装置が作動して落下しない
- 過去にすべてのロープが切れた事故でも、落下はしていない
ロープを何本も使うのは、1本が傷んでもほかのロープで支えられるようにするためです。そのうえで、すべてのロープが切れるような万一の場合にも安全装置が働く、という二重三重の備えになっています。「ロープが切れたら真っ逆さま」という場面は、資料の言葉を借りれば「映画のような落下シーンにはなりません」ということです。
2009年に義務化された2つの安全装置
過去の事故を受けてエレベーターの安全に関する技術基準が見直され、国土交通省の資料によると、改正された建築基準法施行令が2008年9月に公布されました。この改正で、次の装置の設置が義務づけられています。
| 装置 | 役割 |
|---|---|
| 戸開走行保護装置 | 扉が開いたままかごが動き出したときに、それを検知して止める |
| 地震時等管制運転装置 | 地震の揺れを感知すると、かごを最寄りの階に止めて扉を開き、避難を促す |
どちらも、国土交通大臣の認定を受けた構造のものを使うことが求められています。ただし、義務化の対象は改正後に設置されるエレベーターです。古い建物のエレベーターには付いていないこともあるため、自分がよく使うエレベーターがどうなっているかは、建物の管理者に確認すると安心です。
地震のときにエレベーターの中にいたら
前述の資料では、2014年時点で全国のエレベーターの約7割に地震時の管制運転装置が付いているとしたうえで、次のように説明しています。
- 装置があるエレベーターは、自動的に最寄りの階に止まり、扉が開く
- 装置がないエレベーターでは、乗っている人がすべての階のボタンを押し、止まった階で降りる
- 地震で止まったエレベーターは、保守会社が点検して安全を確認するまで使わない
揺れを感じたら、行き先にこだわらず、止まった階でいったん降りることが基本です。
閉じ込められたときの正しい行動
資料では、閉じ込められたときの行動として、内部のインターホン、携帯電話、音や声で外に知らせるよう案内しています。そのうえで、携帯電話で連絡するとビルの場所や名前、エレベーターの位置が伝わらず救出に時間がかかることがあるため、まず内部のインターホンを優先するよう勧めています。
インターホンは、警備室や管理人室など人がいる部屋や、建物によっては保守会社に直接つながっています。
逆に、やってはいけないのは自力での脱出です。資料では、天井を開けたり床を開けたりして内部から脱出することは「殆ど不可能」だとしています。扉を無理にこじ開けると、かごが階の途中で止まっている場合に、すき間から転落する危険もあります。
停電しても真っ暗になるわけではありません。非常用の照明があり、点検が適切に行われていれば最低限の明るさが30分以上確保されると説明されています。
ふだんからできる備え
- エレベーターの中にあるインターホンのボタンの位置を一度確認しておく
- 建物の管理者の連絡先を、スマートフォンに登録しておく
- 地震が多い地域では、揺れを感じたらエレベーターを使わず階段を使う習慣をつける
- 小さな子どもには「閉じ込められたらボタンで話す」ことを教えておく
まとめ
エレベーターは、複数のロープと落下を止める装置によって、映画のように落ちることがないよう設計されています。2009年以降に設置されたものには、扉が開いたまま動くのを防ぐ装置と、地震のときに最寄り階で止まる装置も付いています。もし閉じ込められたら、慌てずにインターホンで連絡し、救助を待つこと。これがいちばん安全な行動です。