ホーム / 食・料理 / 「アイスクリーム」と「ラクトアイス」は何が違う?乳固形分で決まる4つの種類と、い
「アイスクリーム」と「ラクトアイス」は何が違う?乳固形分で決まる4つの種類と、いちばん売れている種類

同じように見えるカップのアイスでも、袋の裏の「種類別」欄には「アイスクリーム」「アイスミルク」「ラクトアイス」「氷菓」と違う名前が書かれています。この違いは味の好みではなく、牛乳由来の成分がどれだけ入っているかで法律上決まっています。材料3つで作るいちごのアイスを紹介したスペイン語の動画は6,885万回以上再生されています(YouTube、2026年10月9日確認)。手作りでも市販品でも気になる「アイスとは何か」を、規格と最新の販売データから整理します。
この記事のポイント
- 牛乳の成分を凍らせたもののうち、乳固形分3.0%以上を含むものが「アイスクリーム類」
- アイスクリーム類は乳固形分と乳脂肪分の量で「アイスクリーム」「アイスミルク」「ラクトアイス」の3つに分かれる
- 乳固形分がそれより少ないかき氷やアイスキャンディーなどは「氷菓」として区別される
- 2024年度の販売金額は6,451億円で過去最高。金額・量ともに最も多いのはラクトアイス
決めているのは「乳固形分」と「乳脂肪分」
乳固形分とは、牛乳や乳製品から水分を除いた成分のことです。乳脂肪のほか、たんぱく質、乳糖、ミネラルなどが含まれます。乳脂肪分はそのうちの脂肪の部分です。
埼玉県の認証基準が引用している「乳及び乳製品の成分規格等に関する省令(乳等省令)」では、乳や乳製品を原料に凍らせたもので、乳固形分を3.0%以上含むもの(発酵乳を除く)を「アイスクリーム類」と定義しています。そのうえで、成分の量によって次のように名前が分かれます(日本大百科全書の解説による)。
| 種類別 | 乳固形分 | うち乳脂肪分 |
|---|---|---|
| アイスクリーム | 15%以上 | 8%以上 |
| アイスミルク | 10%以上 | 3%以上 |
| ラクトアイス | 3%以上 | 決まりなし |
| 氷菓 | 上の基準に満たないもの | ― |
つまり「アイスクリーム」を名乗れるのは、乳の成分がいちばん多いものだけです。ラクトアイスは乳脂肪分の決まりがないため、乳以外の材料でコクやなめらかさを出した商品もあります。どれが良い・悪いということではなく、口どけや後味の違いとして選び分けられます。
口どけを左右する「空気」
アイスのなめらかさは、成分だけで決まるわけではありません。百科事典の解説によると、アイスクリームは材料を混ぜたミックスを、かき混ぜて空気を含ませながら凍らせて作ります。このとき含ませる空気の量を「オーバーラン」と呼び、滑らかな口どけを左右します。
空気が多いと軽く、少ないと濃厚で重い食感になります。同じ種類別でも、商品によって食べた印象がかなり違うのはこのためです。小さなカップなのにずっしり重く感じるアイスがあるのも、含まれる空気の量の違いが一因です。
実際にいちばん売れているのは?
日本アイスクリーム協会の集計(メーカー出荷ベース)によると、2024年度(2024年4月〜2025年3月)のアイスクリーム類と氷菓の販売金額は6,451億円で、前年度比106.1%と過去最高でした。種類別の内訳は次のとおりです。
| 種類別 | 販売金額 | 構成比 | 販売量 | 構成比 |
|---|---|---|---|---|
| ラクトアイス | 2,066億円 | 32.0% | 369,954kL | 39.5% |
| アイスクリーム | 1,817億円 | 28.2% | 172,917kL | 18.5% |
| アイスミルク | 1,457億円 | 22.6% | 199,341kL | 21.3% |
| 氷菓 | 1,111億円 | 17.2% | 193,704kL | 20.7% |
金額でも量でも最も多いのはラクトアイスです。一方で、アイスクリームは量では18.5%なのに金額では28.2%を占めています。量のわりに金額が大きい、つまり1個あたりの値段が高めの商品が多いことが数字から読み取れます。また、前年度からの伸びが最も大きかったのは氷菓(金額で前年比112.9%)でした。
買うとき・作るときのヒント
- 種類別の欄を見れば、乳の成分の多さがわかる。濃厚さを求めるなら「アイスクリーム」、さっぱり食べたいなら「氷菓」や「ラクトアイス」も候補になる
- カロリーや脂質は種類別だけでは決まらない。気になる場合は栄養成分表示を確認する
- 手作りのアイスは、空気を含ませるように途中で何度かかき混ぜると口当たりがなめらかになる
市販品の名前の違いを知っておくと、売り場で選ぶときの目安になります。
まとめ
アイスの名前は、乳固形分と乳脂肪分の量で「アイスクリーム」「アイスミルク」「ラクトアイス」に分かれ、乳の成分が少ないものは「氷菓」になります。2024年度の販売ではラクトアイスが金額・量ともに最多で、アイスクリームは単価の高い商品が多いことが数字に表れています。袋の裏の「種類別」を見るだけで、選び方が少し変わるはずです。