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「1か月に1冊も本を読まない」は62.6%:文化庁の調査で見る読書離れの中身と、無理なく読書を続けるコツ

「最近、本を読んでいない」。そう感じている人は少なくないはずです。文化庁が2024年に公表した調査では、1か月に1冊も本を読まない人が62.6%にのぼりました。中国の動画サイトでは「私たちはなぜ本を読むのか」を語る法学者の講義動画が2,300万回以上再生されるなど(2026年10月時点)、読書の意味を問い直すテーマは国を越えて関心を集めています。文化庁の「国語に関する世論調査」の結果を読み解きながら、読書離れの中身と、無理なく本と付き合うためのヒントを整理します。
この記事のポイント
- 1か月に読む本(電子書籍を含み、雑誌や漫画は除く)が「0冊」の人は62.6%
- ただし、本を読まない人の75.3%は、SNSやネットの記事など本以外の文字情報を「ほぼ毎日」読んでいる
- 「読書量が減っている」と感じている人は69.1%。理由のトップは「スマートフォンなどの情報機器で時間が取られる」(43.6%)
- 調査方法が変わったため、過去の結果と単純に比べることには注意が必要
調査の概要
この調査は、文化庁が国語に関する人々の意識を知るために行っているもので、令和5年度(2023年度)分の結果が2024年9月に公表されました。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 調査期間 | 2024年1月16日〜3月13日 |
| 対象 | 全国の16歳以上の個人6,000人 |
| 有効回答 | 3,559人(59.3%) |
| 方法 | 郵送法 |
1か月に読む本の冊数
「1か月に大体何冊くらい本を読んでいますか」(電子書籍を含み、雑誌や漫画は除く)という質問への回答は、次のとおりでした。
| 冊数 | 割合 |
|---|---|
| 読まない | 62.6% |
| 1〜2冊 | 27.6% |
| 3〜4冊 | 6.0% |
| 5〜6冊 | 1.5% |
| 7冊以上 | 1.8% |
過去の同じ質問(2008年度、2013年度、2018年度)では「読まない」が4割台後半でした。ただし、2019年度までは調査員が訪ねて聞き取る方法、2020年度からは郵送で回答してもらう方法に変わっているため、文化庁は過去の結果を参考値として扱い、比較には注意が必要だとしています。
「本は読まないが、文字は毎日読む」
この調査で注目したいのは、本を読まないと答えた人への追加の質問です。本以外の文字・活字による情報(SNSやインターネット上の記事など)を読むことがどのくらいあるかを聞いたところ、「ほぼ毎日ある」が75.3%でした。
つまり、多くの人は文字を読まなくなったのではなく、読む対象が本からスマートフォンの画面に移っていると考えられます。短い文章を毎日たくさん読む一方で、一冊の本をじっくり読む時間が減っている、というのが実態に近いのかもしれません。
読書量が減った理由
「以前に比べて読書量は減っているか」という質問には、「減っている」が69.1%、「それほど変わっていない」が24.5%、「増えている」が5.5%でした。「減っている」と答えた人に理由を2つまで聞いた結果は次のとおりです。
| 理由 | 割合 |
|---|---|
| 情報機器(スマートフォン、タブレット、パソコン、ゲーム機など)で時間が取られる | 43.6% |
| 仕事や勉強が忙しくて読む時間がない | 38.9% |
| 視力など健康上の理由 | 31.2% |
| テレビの方が魅力的である | 19.8% |
年齢別に見ると、「情報機器で時間が取られる」は若い人ほど多く、16〜19歳では70.9%でした。「仕事や勉強が忙しい」は20〜40代で6割台と高く、「視力など健康上の理由」は年齢が高いほど多い傾向がありました。世代によって、本から遠ざかる理由が違うことがわかります。
無理なく読書を続けるためのヒント
調査で挙がった理由に合わせて、取り入れやすい工夫を考えてみます。
- スマートフォンに時間を取られる人:寝る前の15分だけスマートフォンを別の部屋に置き、紙の本を開く時間をつくる
- 忙しくて時間がない人:通勤や待ち時間に読める短編集やエッセイなど、区切りやすい本を選ぶ
- 目が疲れる人:文字の大きさを変えられる電子書籍や、耳で聞く朗読(オーディオブック)を試す
- 何を読めばいいかわからない人:図書館の新着コーナーや、書店の店員のおすすめを手がかりにする
大切なのは、冊数を目標にしすぎないことです。1か月に1冊読めなくても、1日数ページを読む習慣があれば、本との距離は少しずつ縮まります。
まとめ
文化庁の調査では、1か月に1冊も本を読まない人が62.6%でしたが、その多くはSNSやネットの記事で毎日文字に触れていました。読書が減った理由は、スマートフォン、忙しさ、目の疲れなど世代によって違います。自分がなぜ本から離れているのかがわかれば、それに合った読み方が見つかるはずです。まずは今日、気になっていた本を数ページだけ開いてみませんか。