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砂糖はどうやって作られる?北海道のてん菜と沖縄のさとうきび、国産は約4割という現実

毎日のように口にしている砂糖。日本で使われている砂糖は、どこで、どうやって作られているのでしょうか。農林水産省と、砂糖の価格調整を担う農畜産業振興機構(ALIC)の資料をもとに、原料の畑から白い結晶になるまでをたどります。工場で食べ物ができる過程を紹介する動画は世界中で人気があり、海外の番組の「砂糖ができるまで」の回は動画サイトで3,000万回以上再生されています(2026年10月時点)。
この記事のポイント
- 日本で消費される砂糖は年間約180万トン。そのうち国内産の原料から作られるのは約4割で、残りの約6割は輸入した粗糖を国内の工場で精製したもの
- 国内産の原料は、北海道の「てん菜(ビート)」と、沖縄県・鹿児島県南西諸島の「さとうきび」の2つ
- 国内産糖のおよそ8割はてん菜から作られている
- 砂糖は、糖分を取り出し、不純物を除き、煮詰めて結晶にし、遠心力で蜜と分けるという流れで作られる
日本の砂糖はどこから来ているのか
ALICの資料によると、日本の砂糖の消費量は約180万トンです。このうち約4割が、国内で生産されたさとうきびやてん菜を原料に作られています。残りの約6割は、海外から輸入した粗糖(原料糖)を、日本の工場で精製したものです。資料には、令和2年産(2020年10月〜2021年9月)の砂糖の自給率は43%と示されています。
国内で作られる砂糖の内訳を見ると、てん菜が大きな割合を占めます。農林水産省の広報誌によると、令和元砂糖年度(2019年10月〜2020年9月)の国内産糖の生産量は78万8千トンで、そのうちてん菜糖が65万トンと、およそ8割でした。
| 原料 | 主な産地 | 特徴 |
|---|---|---|
| てん菜(ビート) | 北海道の畑作地帯 | 「砂糖大根」とも呼ばれる。根に糖分をためる |
| さとうきび | 沖縄県、鹿児島県の南西諸島 | 茎の搾り汁に糖分を含む。地域の農業と経済を支える作物 |
てん菜が砂糖になるまで
農林水産省の広報誌では、北海道の製糖工場での作り方が紹介されています。てん菜から、私たちがよく知るグラニュー糖ができるまでの流れは次のとおりです。
- 受け入れと洗浄:収穫したてん菜は葉を切り落とし、根の部分だけを工場に運ぶ。水の流れに乗せて洗いながら工場の中へ送る
- 裁断と抽出:てん菜を幅4〜5mmほどの細長い形(コセット)に切り、70℃前後の湯に浸して糖分を取り出す
- 清浄:糖液に含まれる糖分以外の成分を炭酸カルシウムに吸着させてろ過し、さらにイオン交換樹脂に通して純度を高める
- 濃縮:糖液を煮詰めて、約15%だった糖の濃度を約60%まで高める
- 結晶化と分蜜:さらに濃縮しながら核になる粉糖を入れて結晶を育て、結晶と蜜が混ざったものを遠心分離機で分ける
- 乾燥と仕上げ:結晶の表面に残った蜜を洗い流し、乾燥・冷却してから粒をそろえ、袋に詰めて出荷する
てん菜の場合、北海道の工場で一気にグラニュー糖まで作られるのが特徴です。
さとうきびが砂糖になるまで
さとうきびは、沖縄県や鹿児島県の南西諸島で栽培されています。春に植えた場合、約1年後の1月から3月ごろが収穫の最盛期です。
同じ広報誌によると、沖縄県には、原料糖である「分蜜糖」の工場が9か所、「含蜜糖(黒糖)」の工場が8か所あります。
- 黒砂糖:さとうきびの搾り汁を煮詰めて、そのまま固めたもの
- 分蜜糖:搾り汁から結晶を作り、蜜と分けたもの。これが原料糖となり、精製工場で上白糖やグラニュー糖に加工される
黒砂糖に独特の風味やコクがあるのは、蜜を分けずに固めているからです。
一方で、さとうきびの産地には課題もあります。沖縄県では、さとうきびの収穫面積が1990年の2万ヘクタールから2020年には1.3万ヘクタールに減っていて、生産者の高齢化などによる担い手不足が原因の一つと考えられています。
国産と輸入の価格差を埋める仕組み
海外の砂糖は、日本で作るより安く生産できます。そのままでは国内の産地が成り立たないため、日本には砂糖の価格を調整する制度があります。農林水産省の資料によると、その仕組みはおおむね次のとおりです。
- 輸入される精製糖には高い関税などがかかるため、ほとんど輸入されていない
- ALICは、粗糖を輸入する精製糖企業から「調整金」を集める
- 集めたお金を財源の一つとして、さとうきびやてん菜の生産者、国内産糖の製造事業者に交付金を出す
- こうして価格が調整された輸入粗糖と国内産糖を原料に、精製糖企業が国内で砂糖を作り、消費者に届ける
ふだん目にしない仕組みですが、北海道や南西諸島の農業と、私たちの食卓の砂糖はこうしてつながっています。
まとめ
日本で使われる砂糖の約4割は、北海道のてん菜と、沖縄・鹿児島のさとうきびから作られています。工場では、糖分を取り出し、不純物を除いて煮詰め、遠心力で結晶と蜜に分けるという工程を経て、白い砂糖になります。次に砂糖を手に取ったら、袋の表示で原料や産地を確かめてみると、遠くの畑の風景が少し身近に感じられるかもしれません。