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日本の国土の3分の2は森林:その4割は人の手で植えた「人工林」という事実と、森が果たしている7つの働き

雑学・ガイド雑学・豆知識公開日 2026/10/09 21:50読了目安 約4分閲覧: 0
朝霧が流れるスギの人工林。まっすぐな幹が斜面に並ぶ(イメージ)
イメージ画像(AI生成)

日本は国土の約3分の2が森林に覆われた、世界でも森の多い国です。ただしその森の約4割は、戦後に人が苗木を植えて育てた「人工林」で、多くが植えてから50年以上たち、使いどきを迎えています。世界の森林を映したドキュメンタリーのエピソードは5,008万回以上再生されています(YouTube、2026年10月9日確認)。遠い国の原生林に心を動かされる人は多い一方で、身近な日本の森がどんな状態なのかは意外と知られていません。林野庁の森林・林業白書と森林資源の現況調査から見ていきます。

この記事のポイント

  • 日本の森林面積は2,502万ヘクタール。国土3,780万ヘクタールの約3分の2を占める(2022年3月末)
  • そのうち約4割、1,009万ヘクタールが人工林。戦後から高度経済成長期に植えられたものが多い
  • 人工林の約6割はすでに植えてから50年を超え、伐って使う「利用期」に入っている
  • 森の木の量(森林蓄積)は約56億立方メートル。人工林を中心に年々増え続けている

3分の2が森、という国

林野庁の「令和6年度 森林・林業白書」によると、日本の森林面積はほぼ横ばいで推移しており、2022年3月末時点で2,502万ヘクタールです。国土面積3,780万ヘクタールのうち、約3分の2が森林ということになります。

都市に住んでいると実感しにくい数字ですが、新幹線や飛行機の窓から見える山の多くは森に覆われています。平地が少なく、山がちな地形であることが、森の多さにつながっています。

4割は「人が植えた森」

日本の森は、自然に育った森ばかりではありません。白書は、森林の約4割に当たる1,009万ヘクタールが人工林だとしています。人工林は、木材を得るために人が苗木を植え、下草を刈ったり間伐をしたりして育ててきた森です。スギやヒノキがまっすぐ同じ間隔で並んでいる森を見たことがあれば、それが人工林です。

項目数値(2022年3月末)
森林面積2,502万ヘクタール(国土の約3分の2)
うち人工林1,009万ヘクタール(森林の約4割)
森林蓄積(木の量)約56億立方メートル
うち人工林の蓄積約35億立方メートル(約6割)
持ち主私有林57%、公有林12%、国有林31%

人工林の多くは、終戦直後や高度経済成長期に植えられました。そのため年齢がそろっていて、白書によると約6割がすでに50年生を超え、本格的に伐って使う時期を迎えています。

木は「余っている」のに、手入れが課題

森林蓄積、つまり森に立っている木の体積の合計は、2022年3月末で約56億立方メートルで、人工林を中心に年々増えています。木は伐らずにおけば育ち続けるため、量だけを見れば日本の森は豊かになっています。

一方で、人工林は植えて終わりではありません。間伐をして光を入れ、伐ったあとは再び植える「再造林」をしないと、森の働きが十分に発揮されなくなります。国の森林・林業基本計画(2021年閣議決定)や全国森林計画では、間伐や再造林を確実に行うことや、花粉の発生源対策を進めることが掲げられています。春の花粉症の原因となるスギも、こうした人工林の木です。

森が果たしている7つの働き

白書は、森林が国民の暮らしに役立つ働きを「多面的機能」と呼び、次のように整理しています。

  • 水源かん養:洪水をやわらげ、川の水量を保ち、水をきれいにする
  • 山地災害防止・土壌保全:根が土を押さえ、土砂崩れや土の流出を防ぐ
  • 快適環境形成:気温や湿度をやわらげ、強風や騒音から暮らしを守る
  • 保健・レクリエーション:やすらぎや行楽、スポーツの場になる
  • 文化:景観や歴史的な風景をつくり、文化財の修理に使う木材を供給する
  • 生物多様性保全:めずらしい種を含む多くの生き物のすみかになる
  • 地球環境保全:二酸化炭素を吸収し、木材として炭素をためる

白書の注記によると、お金に換算できる一部の働きだけでも、その評価額は年間70兆円とされています。2023年の内閣府の世論調査では、森に期待する働きとして、地球温暖化の防止、山地災害の防止、水源かん養を挙げた人が多くなっていました。

身近な森とのつきあい方

  • 家具や住宅に国産材を選ぶことは、伐って使い、また植えるという森の循環を支えることにつながる
  • 山を歩くときは、植林地と自然林の違い(木の並び方や種類)に注目すると、その土地の歴史が見えてくる
  • 大雨のあとの山道では、森があっても土砂崩れが起きることがある。自治体の注意情報を確認して行動する

まとめ

日本の国土の約3分の2は森林で、その約4割は人が植えて育てた人工林です。木の量は増え続けている一方、多くの人工林が利用期を迎え、伐って使い、植え直すことが課題になっています。森は水や土を守り、暮らしを支える多くの働きを担っています。世界の森の映像に感動したら、次は身近な山の木が「植えられた森」か「自然の森」かを見てみてください。

参考資料

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