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絵の具を混ぜるほど色が濁るのはなぜ?赤と緑でも紫とオレンジでも「茶色」になる減法混色の仕組み

絵の具をたくさん混ぜると色が暗く濁っていくのは、絵の具が光を「吸収する」ことで色をつくっているからです。混ぜるほど吸収される光が増え、明るさが下がっていきます。これを「減法混色」といいます。赤と緑、紫とオレンジという違う組み合わせを混ぜて、どちらも茶色になることを見せたトルコの子ども向けショート動画は4,079万回以上再生されています(YouTube、2026年10月9日確認)。思わず試したくなる色の不思議を、武蔵野美術大学の解説から整理します。
この記事のポイント
- 色には、光そのものの色(光源色)と、物に光が当たって生まれる色(物体色)がある
- 絵の具やインクの色は物体色。光を吸収する性質があるため、混ぜるほど暗くなる(減法混色)
- 色の三原色はシアン・マゼンタ・イエロー。等量に混ぜると黒に近づく
- テレビやスマートフォンの画面は光の三原色(赤・緑・青)で、混ぜるほど明るくなる(加法混色)
色には2つの種類がある
武蔵野美術大学の解説によると、色には、太陽やパソコンの画面のように光そのものが持つ「光源色」と、光が物体に当たって反射・吸収・透過したときに生まれる「物体色」があります。物体色は、それ自体が光を出さない物の色です。
赤いリンゴが赤く見えるのは、リンゴの表面が白い光のうち赤以外の光を多く吸収し、赤い光を多くはね返しているからです。絵の具も同じで、色によって吸収する光が違います。
混ぜるほど暗くなる「減法混色」
絵の具やインク、色のついたフィルターなどの物体色は、光を吸収する性質を持っています。そのため、混ぜ合わせると吸収される光が増え、反射して目に届く光が減って、暗い色になります。これが減法混色です。
| 項目 | 減法混色 | 加法混色 |
|---|---|---|
| 混ぜるもの | 絵の具、インク、フィルター(物体色) | 光(光源色) |
| 三原色 | シアン・マゼンタ・イエロー | 赤・緑・青 |
| 混ぜると | 暗くなる。等量で黒に近づく | 明るくなる。重ねるほど明るさが足し算される |
| 身近な例 | 絵の具、カラー印刷 | テレビ、スマートフォン、照明 |
解説によると、色の三原色を等量に混ぜ合わせると黒(無彩色)になります。マゼンタとイエローを重ねると赤に見えるように、混ぜることで色相(色み)も変わります。
カラー印刷では、シアン・マゼンタ・イエローの3色だけでは黒を完全に再現できないため、黒(K)を加えた4色(CMYK)ですべての色を表します。プリンターのインクに黒が別に入っているのはこのためです。
なぜ「茶色」になるのか
赤と緑、紫とオレンジのように、色みが大きく離れた絵の具どうしを混ぜると、それぞれが別の光を吸収するため、反射して残る光が少なくなります。その結果、明るさも鮮やかさも下がった、くすんだ暗い色になります。
三原色を全部混ぜると黒に近づくのと同じ理屈で、反対に近い色どうしの組み合わせには、三原色の成分がまんべんなく含まれます。混ぜる量のバランスや絵の具の種類によって、黒に近い色にならず、少し赤みや黄みが残ると、私たちはそれを「茶色」と感じます。動画で違う組み合わせがどちらも茶色になったのは、この仕組みによるものです。
一方、画面の上で赤と緑の光を重ねると、暗くなるどころか明るい黄色に見えます。同じ「赤と緑」でも、絵の具と光ではまったく逆の結果になるのです。
色をきれいに混ぜるコツ
- 鮮やかな色を作りたいときは、混ぜる色の数をできるだけ少なくする。2色までにすると濁りにくい
- 暗くしたいときに黒を足すと、色みまで失われやすい。反対に近い色を少し加えて暗くする方法もある
- 混ぜる前に、パレットの端で少量ずつ試す。思った色にならなくても、量を変えると印象が大きく変わる
- 画面で見た色と印刷した色が違って見えるのは、光の色(加法混色)と、インクの色(減法混色)の違いが一因
まとめ
絵の具を混ぜると色が濁るのは、絵の具が光を吸収して色を出していて、混ぜるほど目に届く光が減るからです。この減法混色では、三原色を等量に混ぜると黒に近づき、色みが離れた組み合わせはくすんだ茶色になりやすくなります。光を混ぜると明るくなる加法混色とは、仕組みが正反対です。動画を見て試したくなったら、混ぜる色の数と量を少しずつ変えて、茶色の幅の広さを確かめてみてください。