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鳥に魚をとらせる1300年の漁法:長良川の鵜飼と、日本で唯一の「宮内庁式部職鵜匠」という仕事

雑学・ガイド雑学・豆知識公開日 2026/10/09 21:50読了目安 約4分閲覧: 0
夜の川で、舳先のかがり火の下に鵜を操る鵜舟(イメージ)
イメージ画像(AI生成)

岐阜市の長良川では、鵜(う)という水鳥に川魚の鮎をとらせる「鵜飼」が、1300年以上前から続いています。漁をする鵜匠は「宮内庁式部職鵜匠」という日本で唯一の職名を持ち、とれた鮎の一部は今も皇室に納められています。世界の珍しい漁の技を紹介する動画は2,440万回以上再生されています(YouTube、2026年10月9日確認)。人が道具や生き物の力を借りて魚をとる技は国を問わず人をひきつけますが、日本にはその代表のような伝統漁法が今も現役で残っています。

この記事のポイント

  • 長良川の鵜飼は1300年以上の歴史がある。織田信長は「鵜匠」という地位を与え、徳川家康は鮎鮨を江戸へ献上させた
  • 鵜匠は宮内庁式部職鵜匠という日本で唯一の職名。シーズン中に8回、皇室に納める鮎をとる「御料鵜飼」を行う
  • 観覧できるのは毎年5月11日から10月15日まで。中秋の名月の日と増水時は休みか中止
  • 鵜飼の用具一式122点は国の重要有形民俗文化財。岐阜市はユネスコ無形文化遺産への登録を目指している

鵜飼とはどんな漁か

鵜飼は、夜の川で舟のへさきにかがり火をたき、その明かりに集まった鮎を、鵜匠が操る鵜に捕らえさせる漁です。岐阜県の観光公式サイトは、金華山と山頂の岐阜城を背景に、漆黒の闇の中で赤々と燃えるかがり火を川面に映し、鵜匠と鵜が一体となって繰り広げる古典漁法と紹介しています。

岐阜市の公式サイトでは、伝統の装束に身を包んだ鵜匠が「ほうほう」と声をかけながら、鵜を自在に操って鮎をとる様子が見どころとして挙げられています。舟を操る船頭の技術も、鵜飼を支える大切な技の一つです。

時の権力者に守られてきた歴史

長良川の鵜飼の歴史は1300年以上前までさかのぼります。岐阜県の観光公式サイトによると、織田信長は鵜飼をする者に「鵜匠」という地位を与え、鮎鮨を好んだ徳川家康は、それを江戸へ献上させました。時の権力者の保護を受けながら、技が受け継がれてきたのです。

文化人にも愛されました。松尾芭蕉は「おもしろうて やがてかなしき 鵜舟かな」という句を残し、喜劇王チャールズ・チャップリンは2度見物に訪れて絶賛したと伝えられています。

日本で唯一の「宮内庁式部職鵜匠」

長良川の鵜匠は、宮内庁式部職鵜匠という日本で唯一の職名を持っています。岐阜市の公式サイトによると、鵜飼シーズン中には8回、ふだんは禁漁区になっている長良古津地区で、皇室に納める鮎をとるための「御料鵜飼」が、宮内庁式部職鵜匠の職務として行われます。この日、観覧船から見られる鵜飼は、御料鵜飼が終わったあとに行われます。

項目内容
歴史1300年以上
観覧できる期間毎年5月11日〜10月15日(中秋の名月の日・増水時は休みまたは中止)
鵜匠宮内庁式部職鵜匠(日本で唯一の職名)
御料鵜飼シーズン中8回。とれた鮎は皇室へ納める
文化財鵜飼の用具一式122点が国の重要有形民俗文化財

守られている技と、これから

岐阜市の公式サイトによると、長良川の鵜飼の用具一式122点は国の重要有形民俗文化財になっており、鵜匠の家に伝わる鮎鮨づくりの技術や、観覧船をつくる造船の技術も受け継がれています。「長良川中流域における岐阜の文化的景観」は重要文化的景観に選ばれ、岐阜市は長良川鵜飼のユネスコ無形文化遺産への登録を目指しています。

鵜飼は、鵜匠と鵜の信頼関係、かがり火、舟、川の流れがそろって初めて成り立つ漁です。一つの技だけでなく、道具づくりや景観まで含めて守られていることが、1300年という長さを支えています。

見に行くときのポイント

  • 観覧船の申し込み方法や料金は公式サイトで確認する。2026年からは繁忙日(5月11日、7月13日から9月30日までの土曜日、お盆やシルバーウィークなど)とそれ以外で乗船料が分かれている
  • 川の水かさが増えると中止になる。前日の雨にも注意し、当日の運航情報を確認する
  • 観覧船に乗らなくても、川岸から鵜飼の様子を眺めることができる場所がある
  • 夜の川辺は足元が暗い。歩きやすい靴で出かける

まとめ

長良川の鵜飼は、かがり火のもとで鵜匠が鵜を操り鮎をとる、1300年以上続く漁法です。織田信長や徳川家康に守られ、今も宮内庁式部職鵜匠が皇室に納める鮎をとっています。世界の珍しい漁の動画に驚いたら、夏から秋の夜の長良川で、生きた伝統を見てみてください。

参考資料

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